トヨタ・新型プリウス試乗 走りと乗り心地について(1/10)
2015年12月に新しくなったハイブリッドセダンの4代目プリウスに試乗してきました。
天気のいい日でとても気持ちのいい試乗だったので、プリウスの良さを存分に体感することができました。
試乗車はSツーリングセレクション
今回試乗させてもらった4代目プリウスは、グレードSのツーリングセレクションでした。
ツーリングセレクションといっても、他グレードとボディ自体には大きな違いはなく、タイヤのサイズが違うということでした。
通常よりもホイールが大きく、タイヤが薄くなっています。
(ノーマルグレードとツーリングセレクションの違いについては、グレードの記事でまた触れます。)
さて、まずは走りだしですが、タイヤが薄いから乗り心地が硬い、という感じはしませんでした。
むしろ、乗り心地は適度な感じで良いと感じました。
3代目プリウスのツーリングセレクションでは、道路の小さな凸凹でも車が上下したそうで、ノーマルグレードのタイヤとの差がかなりあったようです。
しかし新しいプリウスのツーリングセレクションでは、ガタガタするようには感じませんでしたし、快適でした。
初プリウスは運転してみてビックリ
初めてプリウスを運転した人が思う感想で、絶対あると思うのですが、後ろがとても見にくいんですね。
バックミラーで後ろを見ると、バックドアのガラスが上と下で分かれているんです。
これは初めて運転すると、驚く人は多いのではないでしょうか。
ガラス部分の真中に線が入っていて、見えない部分がある為に不安になるのと、上と下とでガラスの角度が違うことで、見える色が少し違う為、運転していて不思議に感じました。
参考までに、試乗中に信号で停まった時、バックミラーを撮ってみました。
このバックドアのデザインは2代目から変わっていないんだそうです。
後ろの見やすさよりも、空気抵抗の部分のデザインを優先している、ということのようですね。
しかし、試乗も問題なくできましたし、慣れれば運転のしにくさなどはかなり感じなくなるのかもしれません。
バックについては慣れていないので違和感を感じましたが、比べてフロントは視界も広くとても運転しやすく感じました。
車体自体が大きいということもありますが、広い視界はそれだけでも印象がいいですね。
メーターに関してですが、これはセンターにあって見やすかったです。
運転している目線の方向にあるので、ハンドル裏にあるタイプよりも見やすいと思います。
すべて液晶になっているので、丸いメーターはなく、スピードも数字で表示されるのみになります。
今時らしいというか、ハイブリッド車らしいという感じがしました。
ただ、液晶なので表示がいろいろ変えることができます。
走っている状態がモーターメインなのかエンジンメインなのかでもいくつかの表示があったり、エコな運転ができているかを点数表示したりと、好きな表示を選ぶことができます。
今回はハイブリッドシステムインジケーターを表示して運転し、いろいろ試した結果、最終的にエコジャッジで低い点数がでてしまいました(汗)。
そして、プリウスのシフトギアが初めてのタイプだったのでとてもビックリしました。このギアも新しく変わったそうです。
ギアを変えると元のNの位置に自分で戻ってしまうので、メーターの表示で今ギアがどこに入っているのかを確認することになります。
パーキングに入れる時は、ギアの横のボタンを押してギアを変えるんです。
これは、このプリウスのタイプのギアに慣れてしまうと、他の車でギアを操作する時に戸惑ってしまいそうですね。
また、サイドブレーキもギアの下・助手席と運転席の間に設置されておらず、踏み込みタイプだったことにも少し驚きました。
ミニバンなどで採用されているのは想像しやすいですが、ハイブリッドセダンでも踏み込みタイプだとは思っていなかったんです。
ただこれは以前の旧型プリウスも同じだったそうなので、特に新しい変化ということではないのですが、今時はプリウスも踏み込みタイプなんだなと、個人的にちょっと意外だったポイントでした。
自分に合ったモードで運転できます
プリウスにはドライブモードがあり、エコモード、ノーマルモード、パワーモードという三種類の走り方を試すことができました。
まずはノーマルモードで走り始めて、特に問題も感じることもなく、むしろ快適に走ることができました。
走り出しにも違和感はなく、すこぶる快調!
もちろんモーターの力なのでガソリン車よりは力を感じませんでしたが、しかしその分当然車内は静かでした。
そして、モーターだけの状態からエンジンの力を混ぜて、さらにエンジンメインの走りに変わっていく時のつながりもスムーズで、今まで運転したハイブリッド車とは違うのかも、と思わせてくれました。
ハイブリッドで想像する、快適な運転のお手本のような車ですね、プリウスは。
さてここまでがノーマルモードで、その後にエコモードで走ってみました。
すると、当然といえば当然なのですが、エコモードは走り出しが遅いと感じました。
走り始めでは、無意識にアクセルをノーマルモードよりも踏み込んでしまい、エンジンの力が足りないと感じ。
また、エコモードでは信号が青に変わってアクセルを踏みこむ時に、ワンテンポ遅れる感覚がありました。
反応が遅いな、という感じです。
実際、このモードだと一気にスピードを上げることが難しいようなので、高速の合流では不安になると思います。
そして、このエコモードと対照的だったのがパワーモードでした。
パワーモードでは、アクセルを踏んだ瞬間に瞬発力がある感じがして、走り始めのストレスがありませんでした。
一気にスピードも出せるので、高速の合流ではフラストレーションを溜めずに済みそうです。
また、エコモードで走行中に信号が黄色に変わってしまった時に、少し不安があって止まるという判断をしましたが(この時は問題なく、スムーズに止まってくれました)、これがパワーモードの場合には、一気に加速できるので、逆に赤に変わる前に渡り切ることができました。
パワーモードは今までガソリン車に乗っていて、ハイブリッド車では力が足らないかも、と思う人にも納得してもらえそうです。
もちろんプリウスのブレーキもしっかりしていて、急ブレーキに近いものをかけてみても、問題なく、しかしスムーズに止まってくれました。
今回の試乗では、とにかく運転していて、ストレスをあまり感じなかったことが好印象でした。
ハイブリッド車や電気自動車に感じがちな「加速力が足りない」といったイメージを、4代目プリウスは克服しているんだな、という印象でした。
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